前田恒彦主任検事、逮捕【郵便不正事件】

>データ改ざん 主任検事逮捕へ

前田恒彦主任検事、逮捕である。




>関係者によると、前田検事は同日までの大阪地検の事情聴取に改ざんを認めたが、「誤ってやった」などと故意を否定する説明をしているという。


「誤ってやった」ならば、なぜ捜査中・公判中に訂正しなかったのだろうか。
故意に改ざんをやったとしか判断のしようがない。
あまりにも無理がある説明である。


こういう事件が起こると、
警察・検察という司法の一端を握る権力の捜査機関のやることには、
やはり必ず疑いを持ってかかるべきだと改めて思う。


ここで改めて注意すべきなのは、この捜査資料改ざんが、
前田恒彦個人の裁量で行われたのか、大阪地検という組織の力で行われたのか、
最高検察庁がそこまで厳正な捜査をするかどうかを確かめることである。


 大阪地方検察庁サイト
 http://www.kensatsu.go.jp/kakuchou/osaka/public_html/index.html
  ※妙に爽やかな音楽が流れるので注意です(笑)


証拠隠滅が、個人の犯罪という容疑なのか、組織の犯罪という容疑なのか、
検察が自分たちのことを徹底的に追及するのかどうか、やはり疑いを持たざるを得ない。


ところで、証拠隠滅の容疑であるが、刑法によれば、

http://www.houko.com/00/01/M40/045.HTM#s2.7
(証拠隠滅等)
第104条 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

である。


しかしむしろ前田氏の逮捕容疑は、


http://www.houko.com/00/01/M40/045.HTM#s2.17
(電磁的記録不正作出及び供用)
第161条の2 人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪が公務所又は公務員により作られるべき電磁的記録に係るときは、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
3 不正に作られた権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を、第1項の目的で、人の事務処理の用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処する。
4 前項の罪の未遂は、罰する。


に該当するのではないだろうか?


証拠隠滅ならば「2年以下の懲役又は20万円以下の罰金」、
電磁的記録不正作出及び供用ならば「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」、
検察側が甘い処分を狙っているかのように見えてしまう。


しかし前田恒彦という人物は、かなり胡散臭い。
捜査手法自体にかなり問題のあった人物のようだ。


読売新聞の報道によれば、
  ↓
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100921-OYT1T00431.htm
(2010年9月21日12時55分 読売新聞)
前田検事は特捜部のエース、「割り屋」で評判
 偽の障害者団体証明書発行事件で、押収したフロッピーディスク(FD)の更新日時記録を改ざんした疑いが持たれている前田恒彦検事(43)が大阪地検特捜部に配属されたのは、2008年4月。
 それ以前には、東京地検特捜部に在籍した06年4月〜08年3月、元防衛次官の汚職事件で贈賄側の防衛専門商社元専務を取り調べるなど、事件の「キーマン」となる容疑者を担当することが多かった。
 大阪地検特捜部では、元特捜検事で弁護士だった田中森一受刑者の詐欺事件(08年4月)や音楽プロデューサー・小室哲哉元被告による詐欺事件(同11月)などの捜査で主任検事を務めた。また、民主党小沢一郎元代表資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件では、東京地検特捜部に応援として派遣され、逮捕した公設秘書(当時)の取り調べも担当した。
 部内では、検察の描かれた構図通りに容疑者から自供を引き出す「割り屋」として評判を取る特捜部のエース的存在。上司の信頼も厚かったが、一方では、周囲から「取り調べが強引」との評判もあった。


更に毎日新聞では、
  ↓
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100922k0000m040064000c.html
朝鮮総連事件:弁護団、前田検事を偽証容疑で告発へ
毎日新聞 - 09月21日 20:13)
 郵便不正事件で証拠品を改ざんしたとされる大阪地検特捜部の前田恒彦検事(43)について、在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)を舞台にした詐欺事件の弁護団は21日、「東京地裁の1審公判で虚偽の証言をした」として来月にも偽証容疑で最高検刑事告発する方針を決めた。
 前田検事は東京地検特捜部に在籍中、元公安調査庁長官の緒方重威(しげたけ)被告(76)=詐欺罪で有罪判決、控訴中=の共犯に問われた元会社社長、満井忠男被告(76)=同=の取り調べを担当。弁護団は捜査段階の供述調書の信用性を争っている。1審判決は、出廷した前田検事の法廷証言の一部について「信用性の肯定は困難」と指摘していた。【伊藤直孝】



http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010092101000572.html
大阪地検特捜検事を逮捕 証拠隠滅容疑で最高検捜査
(2010/09/21 20:47 共同通信
 厚生労働省の文書偽造事件で、無罪判決が言い渡された村木厚子元局長(54)の部下だった元係長上村勉被告(41)から証拠品として押収したフロッピーディスク(FD)のデータを捜査に有利な内容に改ざんしたとして、最高検は21日、証拠隠滅の疑いで大阪地検特捜部の前田恒彦主任検事(43)を逮捕した。
 大阪府内の検事宅や地検の執務室も捜索。
 一連の捜査上の問題は、村木元局長を起訴した検事の刑事責任を追及する異例の事態となった。
 捜査チームは最高検検事が主任を務め、東京地検の検事ら8人が加わった。21日、上村被告の弁護側からFDの任意提出を受け、解析を進めているほか、捜査を指揮した当時の幹部からも事情聴取を進める。
 検察関係者によると、前田検事は20日、大阪地検の事情聴取に、日付改ざんの事実を認めた。
 関係者によると、FDには自称障害者団体「凜の会」に対する証明書と同じ内容の文書データが保存されており、最終更新日時は「2004年6月1日」だった。しかし上村被告側に返却されたFDの記録では「04年6月8日」に書き換えられていた。


http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2010092100944&j1
主任検事を逮捕へ=郵便不正事件データ改ざん―証拠隠滅容疑、故意は否定・最高検
時事通信社 - 09月21日 21:04)
 障害者割引郵便制度の悪用に絡む厚生労働省の偽証明書発行事件で、大阪地検特捜部が押収したフロッピーディスク(FD)内の文書データを改ざんしたとして、最高検は21日、証拠隠滅容疑で、前田恒彦主任検事(43)の取り調べを始めた。容疑が固まり次第、逮捕する方針。村木厚子同省元局長(54)への無罪判決で、特捜捜査の問題点が指摘された事件は、検察捜査そのものの信頼を揺るがす事態へと発展した。
 関係者によると、前田検事は同日までの大阪地検の事情聴取に改ざんを認めたが、「誤ってやった」などと故意を否定する説明をしているという。
 最高検は同日、前田検事の立件を視野に捜査を開始し、証明書事件の捜査にかかわった検事や当時の上司らを一斉聴取。厚労省元係長上村勉被告(41)=公判中=の弁護側からFDの任意提出を受けていた。
 捜査関係者によると、大阪地検の捜査幹部が20日、庁舎内で前田検事に事情を聴いた際、同検事は誤って文書データを書き換えた可能性を認める趣旨の説明をしたという。