死刑は廃止すべき【死刑執行:1年ぶり、2人執行 政権交代後初、千葉法相立ち会い】

>死刑執行:1年ぶり、2人執行 政権交代後初、千葉法相立ち会い
>同時に、千葉法相は「国民に目を向けて考えてもらう議論の場を作りたい」と、刑罰論議に意欲をのぞかせている。



今回の件を機に「勉強会」が設置されるようですね。
「言い訳」でしょうけれども、少しだけ期待します。


しかしながら社民党保坂展人さんのTwitterによれば、
http://twitter.com/hosakanobuto
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千葉景子法務大臣は、若き弁護士時代から死刑廃止論者だった。そして、先日落選するまではベテラン国会議員でもあり、死刑廃止議員連盟の仲間だった。その大臣をして、歴史上初めて処刑立ち会いまでして処刑断行をさせた法務省刑事局の「力」は並大抵のものではない。
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といった情報もあります。



たとえどんな犯罪者であったとしても、人権はあります。


死刑存続を叫ぶ人々には、
この人権という自由主義や民主主義の大前提が理解されていないようです。
日本という国家が、民主政治を標榜しているのですから、
そこに住む人々はあまねくその恩恵を享受しているのであり、
あまねく人々に適応される大原則だから人権なのです。
犯罪者に人権はない、等とうそぶく人々は、
自らの人権を放棄していると見なされても仕方ないように私は思います。


刑法(1907年(明治40年)制定)
http://www.houko.com/00/01/M40/045.HTM#s1.2
(死刑)
第11条 死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。
2 死刑の言渡しを受けた者は、その執行に至るまで刑事施設に拘置する。


日本国憲法(1946年(昭和21年)公布)
http://www.houko.com/00/01/S21/000.HTM#s3
第3章 国民の権利及び義務
第31条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
第36条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。



私は「死刑には反対」の立場です。
犯罪者を赦さない、償いを認めないことは異常だと考えているからです。
人間が培って来た知恵や倫理を否定することだと考えているからです。


罪を赦さない、償いを認めないとすれば、
一体何のために司法が存在するというのでしょうか。


感情を考慮しにくい、させてはならない世界だからこそ、
わざわざ法(刑法)が定められているのではないでしょうか。
無論、感情は大切ですが、
安直・浅薄な感情「論」は絶対に法や裁判に介入させてはいけません。
あくまでも厳格に法に基づいて犯罪者は裁かれるべきなのです。
これが人間が考え行動出来る範囲であり、人が人を裁くという行為の限界でしょう。


これが人間の知恵であり倫理だったのではないでしょうか。



http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100728dde001010024000c.html
毎日新聞
死刑執行:1年ぶり、2人執行 政権交代後初、千葉法相立ち会い
 法務省は28日、2人の死刑を執行したと発表した。民主党政権下の千葉景子法相による執行命令は初めて。千葉法相は超党派でつくる「死刑廃止を推進する議員連盟」のメンバーだったが、法相就任後は「政府の一員となり距離を置く」としてメンバーから外れていた。刑事訴訟法は「死刑の執行は法相の命令による」と定めており、信念よりも法相の職務を優先させたとみられる。
 千葉法相は執行後の会見で、死刑制度存廃を含めて議論する勉強会を設置し、東京拘置所の刑場を報道機関に公開するよう省内に指示したことを明らかにした。指揮命令を確認するためとして、東京拘置所で自ら執行に立ち会ったという。法相が立ち会ったのは初めてとみられる。
 執行は07年12月の鳩山邦夫法相(当時)下での死刑執行以降、ほぼ2カ月ペースが維持されていた。だが今回は09年7月28日に森英介前法相下で執行されて以来、ちょうど1年ぶり。この間も死刑確定は相次ぎ、今回の執行後の確定死刑囚は前回執行後の101人から107人に増えた。
 執行されたのは尾形英紀(33)、篠沢一男(59)の2死刑囚(いずれも東京拘置所収容)。確定判決などによると、尾形死刑囚は03年8月、交際していた少女を巡ってトラブルになった飲食店従業員の男性(当時28歳)を埼玉県で刺殺。様子を見に来た同じアパートの住人(同21歳)も絞殺し、他の2人にも重傷を負わせた。篠沢死刑囚は00年6月、宇都宮市の宝石店を訪れ宝石を用意させ、6人を縛って休憩室に押し込み、ガソリンをまいて放火。全員を殺害し、指輪など293点(計約1億4025万円相当)を奪った。死刑確定から執行までの期間は尾形死刑囚が3年、篠沢死刑囚が3年4カ月。【石川淳一

◇命令書署名は任期切れ前日
 民主党枝野幸男幹事長は、千葉法相が死刑執行命令書に署名したのは参院議員の任期(7月25日まで)が切れる前の24日だったことを明らかにした。

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■解説
論議、加速の可能性
 死刑廃止論者とも指摘される千葉景子法相だが、法が定める執行命令の職責を重んじた結果、09年9月の就任から参院選落選を経て11カ月目にして死刑執行命令に踏み切った。千葉法相は就任後、「死刑の在り方について論議の場を」と繰り返したが、法務省内には「議論を呼びかけるにはまず執行を経験すべきだ」との意見が根強かった。廃止派の反発は必至だが、今後は死刑を含めた刑罰論議が加速する可能性がある。
 千葉法相は就任後、執行するかどうかについては言及を避けてきた。信念と職責のはざまで揺れていたとみられる。法務省は、大量執行期からの大幅な後退を不安視していたが、これで事実上の執行停止状態に入る懸念は免れたと言えるだろう。同時に、千葉法相は「国民に目を向けて考えてもらう議論の場を作りたい」と、刑罰論議に意欲をのぞかせている。執行の職責を果たした以上、執行方法や執行順などの情報公開を進める可能性が強まった。【石川淳一
毎日新聞 2010年7月28日 東京夕刊)