絶望者の教理問答【7】核抑止という妄想

正直なところ、自分の考えをあらかじめ述べておくと、何の前提も根拠もなく、いやこれがニヒリズムの至る必然的帰結なのだが、仮に人類が、たかが核兵器なんてモノを廃止できない程度の叡智しか持っていないのならば、すべて滅んでしまって良い。


核抑止は妄想である。


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NHK厚顔無恥ぶりにはあきれるばかりである。恥知らずもいい加減にしてもらいたい。8月6日、広島でバカな講演をする田母神と同じレベルだ。

http://s01.megalodon.jp/2009-0712-0631-19/mainichi.jp/select/wadai/news/20090630k0000m040099000c.html



日本の、これから 核」
http://s02.megalodon.jp/2009-0712-0632-47/www.nhk.or.jp/korekara/


アメリカのオバマ大統領が「核兵器の無い世界を目指す」と宣言し、核兵器削減に向けて動き出そうとしています。唯一の被爆国日本では、核兵器廃絶の方針を歓迎する声があがっています。
しかし、その一方で、北朝鮮はミサイル発射と核実験を強行。“核の闇ルート”を経て、核がテロリストへわたる危険性も指摘されています。
これまで、核兵器の廃絶を訴えながらも、アメリカの核の傘の下に守られてきた日本。核をめぐる緊張感が高まる中、わたしたちは隣国の脅威にどう対峙していけばよいのでしょうか。そして、唯一の被爆国として核廃絶に向けてできることは?
みなさんのご意見、ならびに出演者を募集しています。


意見・出演者募集
https://www.nhk.or.jp/korekara/nk26_k/enq.html


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核兵器はどこまでいっても、いくら詭弁を弄しても、史上最悪の大量破壊・虐殺兵器であることには間違いない。核兵器の研究・開発・所持は、何をどう言い訳しても目的は大量破壊・殺戮であり、人類の叡智を否定する行為に他ならない。このようなモノの研究を続けて、果たして人類の知的営為に資することがあるだろうか。


答えは否である。


冷戦終結後、核抑止論においても国際政治(バランスオブパワー)の中での位置づけが変わっているのが現実であり、むしろ問題は、かつての冷戦構造化の勢力均衡とは異なり、核テロリズムの危険性、昨今は非対称的な戦争が増えていること、核の拡散が続いていることだろう。しかしこれらはかつての米ソ(東西)の冷戦の負の遺産であり、ひたすら人類滅亡の研究を続けた結果生じ予想された歴史的結末である。



話は変わるが、国際的には、人間のクローンを創ることは禁止されている。これは国際的にコンセンサスが出来たという稀有な例である。なぜクローン人間が問題なのか、それを考えれば考えるほど禁止せざるを得ないと考えるに至ったのが人類の理性的判断なのだろう。人類の医療に貢献する可能性が大きいクローン技術が禁止され、人類を滅亡に追い込む結果しか招かない核開発は今も続けられている。


こんな矛盾した話は小学生でも理解できるだろう。


核技術の移転のために核拡散は、これまでのツケが回ったが故の帰結なのか、極めて愚劣な悪循環となっている。


核の問題については、根元から解決策を探る他に対処はないだろう。


また、よく保守系論者が口をそろえて述べ立てる「核抑止」だが、これもはなはだ疑問である。こやつらの間では「アメリカの核の傘に日本は守られて来た」という信仰に近い論が定着しているが、旧敵国であったソヴィエト(現在はロシアや中国)から日本が核攻撃にさらされた時、果たしてアメリカは「核の傘」という伝家の宝刀を抜くだろうか? 可能性は限りなくゼロに近い。アメリカが報復に出れば、アメリカの主要都市が焦土に化すのだから。従って日本は捨石に使われて終わるだけだろう。


しかし、これが政治(マキャベリズム)においては充分に想定される冷徹な結論である。


アメリカの考えていることは結局は御都合主義である。かっこよく言えば政治の王道であるマキャベリズムだ。ロシアとは核軍縮を交渉しながら、東北アジア地域での政治的・軍事的覇権を維持したいのか、こちらでは古臭い「核抑止論」を持ち出して来ている。


http://s02.megalodon.jp/2009-0712-0654-04/www.afpbb.com/article/politics/2619242/4216282


確かに中国の急速な軍拡は、東北アジア地域の安全保障にとって最大の難問だろう。だが、それに負けず劣らず、米軍は日本・韓国・台湾方面へと自軍を展開し、中国を充分過ぎるほどに牽制して来たのではないか。中国が軍縮について全く考慮しないのは当然の流れだろう。


ややこしいのが北朝鮮である。通常兵器を動かすオイルもないという状態にも関わらず、ミサイル発射実験を繰り返し、核実験までやっているのだから。
  ※しかし本当に核実験が行われたのか確証は取れているのだろうか?
この国のやっていることは、60年ほど前に極東に存在した泡沫軍事国家とソックリである。


あの時代の外交に倣えば、北朝鮮との交渉は少しは前向きに進むのではないか。結局は6カ国協議の場に北朝鮮を何とか引っ張り出すしかないだろう。